相続した不要な土地を国に引き取ってもらう「相続土地の国庫帰属制度」について
相続した不動産について、よくあるお困りごとの背景
相続した土地を持っているけれど、利用する予定がない場合や、管理することが経済的に負担になる場合など、核家族化が進む現代では、多くのご家族に当てはまる状況だと思います。
特に都内の方ですと、
・両親の故郷にある山林を相続したが、利用する予定がない
・このまま保有していくには心理的にも、もしもの時の管理責任の負担も大きい
・将来の相続に問題を先送りしたくない
・周囲の土地の所有者に迷惑をかけないようにしておきたい
といった理由で土地を手放したいというご相続が多く寄せられます。
そこで、新たに相続した土地を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。ここでは、この制度の概要や手続きについて、具体的に解説していきます。
国庫帰属制度の概要
国庫帰属制度の利用には「一定の要件」が定められています。
一定の要件とは簡潔な説明であれば、
①相続や遺贈で土地を取得した相続人のかたで
②建物のない土地
③担保権や使用収益権が設定されていない土地
④他人の利用が予定されていない土地
⑤特定の有害物質によって土壌汚染されていない土地
⑥境界が明らかである土地・所有権の存否や範囲について争いがない土地
であることとなります。
国庫帰属制度を利用するには…?
いい制度だな・・・と思われるかもしれませんが、国庫帰属制度には、実は様々な「制約」があります。
古い建物が建っている土地であれば、建物を取り壊す必要がありますし、抵当権の登記が土地に残っていれば抵当権登記の抹消の手続きをしなければなりません。
また、隣地との土地の境界が不明であれば、境界確定をする必要があります。
つまり
・国庫帰属制度を利用できるかどうか
・国庫帰属制度を利用する前に調査をする必要があるかどうか
という2点を確認したうえで、具体的な対策を検討することで、余計な労力をかけずにすみます。
このあたりの判断は、相続登記など相続に関わる不動産の専門家であり、かつ、国庫帰属制度の申請代行を法的に行うことが認められている司法書士にご相談いただくことをおすすめいたします。
※国庫帰属制度の申請代行ができるのは司法書士と行政書士に限定されています。
相続された土地が、要件を満たすのか、どうすれば要件を満たすようにできるのかが気になる方は是非弊所の無料相談をご利用くださいませ。
2013 司法書士試験合格
2014 司法書士事務所勤務/司法書士登録/簡易訴訟代理関係業務認定
2015 池袋法務事務所入所
2020 代表就任