相続した実家の売却と遠方の空き家の解体~処分をあわせて行った事例
ご状況
お亡くなりになったお父様の相続手続きについて、40代のご兄弟からご相談をお受けしました。お母さまは3年前にすでに他界されており、今回の相続での相続人はこのご兄弟2名です。
父方の故郷である九州に、どうやら誰も使っていない空き家や耕作放棄地があるとのこと、その処分についてどうにかしたいということで、大変お困りでいらっしゃいました。併せて、お父様がお住まいであった北関東の不動産(実家)についても、お二人が住む予定はないとのこと、こちらも売却・処分する方向で考えていらっしゃいました。
また、預金を合わせると、相続税がかかりそうとのことで、相続税申告も行う必要がありました。相続税申告には10ヶ月の期限があることから、これらの不動産の処分、売却の道筋をスピード感をもって進める必要がありました。
当事務所のサポート
ご兄弟お二人とも会社員として働いており、なかなか日中に役所や銀行などに手続きに行くのが難しいとのことでした。そこで、当事務所の専門家が、不動産の調査および名義変更、その後の売却や処分も含めた一連のサポートを行うことになりました。また預貯金の名義変更や、相続税申告を依頼する税理士との調整、書類の引継ぎなどの窓口としてのサポートも行うこととなりました。
まず北関東のご実家については、売却に向けて、複数の不動産会社に査定をとり、ご納得のいく価格を提示してもらえた会社への売却を進めました。
九州の不動産については、まず現地の不動産会社に連絡をとり簡易査定をしたところ、売却は不可能(市場価値が低く、建物の取壊しが必要)とのことでした。様々な不動産会社にあたってみたところ、先の実家の買い取りを担当する不動産会社が、九州エリアでも引き取り対応が可能とのこと。本来であれば解体費用や引き取り費用として、100万円を超える費用がかかる計算でしたが、北関東の不動産の買取価格と相殺するかたちでの処分を検討することになりました。
当事務所の司法書士がこれらの事前調査や不動産会社との方針のすり合わせを行い、ご兄弟にお伝えしたこところ、ぜひその方法で進めてほしいとのご意向でした。
サポート結果
お仕事でお忙しいお二人に代わり、司法書士をはじめとする相続の専門家がサポートすることで、不動産に関する諸々の調査~売却も含め、相続税申告の期限内で相続手続きを終えることができました。
このような不動産会社とのやり取りには様々な不安がつきまとうものです。騙されていないか、その価格は適正か、手続きとして適法なのか、将来にわたるリスクはないか、隣地とのトラブルはないか・・・などなど。
司法書士は、不動産の登記に関する専門家ですので、不動産業者とのお付き合いや、関連する法制度にも精通しています。また、司法書士の業務内容として、「財産管理業務」といい、相続にかかわる不動産の売却や処分などを行う職権が与えられています。
人生に数回しか起こらない相続や、不動産の売買など、ご自身ではなかなか進めにくいことも多いかと思います。そんなときは、ぜひ一度、司法書士にご相談いただければと思います。
今回のように、スムーズに進むケースばかりではありませんが、最適な方針をご提案、サポートさせていただきます。
2013 司法書士試験合格
2014 司法書士事務所勤務/司法書士登録/簡易訴訟代理関係業務認定
2015 池袋法務事務所入所
2020 代表就任